G.Gadut採集のNepenthesについて

三野 善弘

先号に掲載されたNepenthesの写真について、その後わかった種名について報告する。 すでに掲載された種名は先号記載のとおり、ガーデンライフ誌に掲載されたものに基づきN.singalanaとされた。ところが、Andreas Wistuba氏がCPNにN.carunculata var robustaとしてG.Gadut産のNepenthesのイラスト入りで紹介されていた。氏に数タイプの写真を送り見てもらったが、すべてN.carunculata var robustaとの回答であった。その後、各方面に問い合わせると、昨年はじめにN.carunculataはN.bongsoのシノニム(別名)とされたことの説明を受けた。そして、ガーデンライフ誌にN.bongsoとされていたものはN.inermisで、これがそもそもN.bongsoとされる原因になった種は、現在のN.talangensisであり、これもN.inermisとN.gymnumphoraの自然雑種とされていた事もあったとのことである。
また、Wistuba氏はN.carunculata var robustaのバラエティ名を付けているが、現在の説ではN.bongsoにバラエティを認めていないため、あくまでN.bongsoとするのが正しいか、もし希望するなら、N.bongso var robustaと呼ぶのは自由であるし、気軽に呼称すればどうかと勧められた。 この件を食虫植物研究会の小宮先生にご相談したところ、細かい点でCPNのイラストと異なるためN.Bongsoとするのが適当であろうと野ご返信を頂いた。従って我々がG.Gadutで採集したNepenthesについてはN,bongsoとするのが現在では世界の流れのようだ。しかしながら、私個人としては、この件を教授してくださった方の勧めに従い、園芸的には var robustaと呼びたい。これはあくまで園芸的にである。ハエトリソウにバラエティ、、、ぐらい荷考えていただければ幸いである。
ところで最初に出てきたN,singalanaはどうなったかというと、これはG.Singalangの山頂(海抜2.800m付近)に元々の命名になった種があるという。どう違うか見ればわかるとのことであるから、やはり行くしかないと思っている。Wistuba氏からの苗もN.carunculataとN.singalanaは別々に販売され、栽培上も耐寒性に若干の違いがあるようである。このことからも実物を確認する必要はあると思われる。
以上のことから先号に掲載されたN,singalanaとされた種については、N.bongsoと訂正する。なお、先号の本文中のN.singalanaとされたものもすべてN.bongsoである。(今回掲載の本文は修正済み)

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