伊勢花菖蒲園

7.伊勢は燃えてるぜ!

 ホテルに着くと皆は朝食や出立の準備に向かった。時間は30分。8時15分に 種発だ!私は時間があるので我が家にもどりインスタントラーメンを作り掻きこん だ。やはり急いでいるときには最適である。これを発明した人は偉いと思うな。  軽い朝食をとると再びホテルへ。皆それぞれの車にさっと乗り込み準備万端! 伊勢に向かって出発だ!今日のルートはTCPSのメンバーを順に迎えに行き ながら東名阪道路に向かってそのまま伊勢に向かいます。
 日曜なのに比較的道路は空いていて快適に走ることが出来、時間通りに進んで いる。「今日は幸先いいぞ〜」そう思うのは私だけじゃないだろう。  東名阪道路にのり30分も走ると、御在所SAがある。ここは大きな休憩所で 伊勢に行く時の待ち合わせの場所に使う所である。今回はTCPSのメンバーの 木村さん・伊藤さんとここで待ち合わせをしている。駐車場に停めると彼らのほうが 先に着いていた。上気した気分をちょっと落ち着かせるために冷たい物を飲んで 一服することにした。アイス缶コーヒーを飲んで、ふと見るとロトくじの売り場 が...。そういえば前回のサミットのときにもキャリーオーバーしてたな。 見ると2億のキャリーオーバー。運試しのつもりで私を含めて何人かが鉛筆持って 数字を塗りつぶす。当たったらどうしようか?私は土地買って温室建てたいね。  さて、いよいよ伊勢に乗り込むべく御在所SAを出発!きっと橋本さんたちは 着いて乱獲(もとい)選別されているんだろうな。気づいたらアクセルを踏む足 に力が入っていた。

 伊勢花しょうぶ園は亀山ICを経由し、関JCを伊勢自動車道に入り、2つ目の 津ICを降りて10分もあれば着く交通の便の良いところだ。今回は一般公開でも ないのにお願いしてお邪魔をすることになった。毎年のことながら社長さんには 申し訳なく思いながらも通ってしまうのは、伊勢が素晴らしいからである。 はやる気持ちを抑えて最後の信号を回って橋を渡ると...着いた! おや?思ったよりも車の数が多い。後で社長さんに聞いて分かったのだが、前日の 新聞にここのことが掲載されたので、その記事をご覧になったお客さんがいらした そうである。

 車を停めてサラセニアの農場を見ると通路に選び出された沢山のサラセニアの鉢 そしてにこやかに、したたかにサラセニアを見て回る橋本さんが居た。そして こちらで待ち合わせをしていた尾鷲の平山さん・浜松の庄田さん・伊勢在住の 細川君とそのお友達。そして?JCPSのMLに最近デビューされた林さんも 「においをかぎつけて来ました。」といらっしゃいました。全員揃った所で早速 好きな品種にめがけて走っていた。

 私は取り敢えず「アオイトバ」を買いに温室に行く。おびただしい数のカペンシスや ディオネアやサラセニアの実生が並ぶ。カペンシスもディオネアも色んな変異が出て きていて楽しみである。アオイトバは大きくて遅くまで冬芽にならずに起きているので 大好きな品種である。  いろいろ見て回ったが私の好きなプルプレアはイマイチ食指の動く物がない。フラバ の出来は良いようでみんなはいろんな姿のものを選別されていた。ふと殺気を感じて 目をやると...新潟の石高さんだ。彼のサラセニア好きは筋金入りで知る人ぞ 知る所である。丹念にサラセニアを食い入るように見つめていて、いくら楽天家と 言われる私でも声をかけるのもためらわれる程の雰囲気を醸し出している。なんでも 鑑定団の中島誠之助にも似てると誰かが言ってたっけ..。時間がせまり(約2時間 ほどはいた。)「もうそろそろ如何です?」と声をかけると「ええっ?」確かに 新潟からここはおいそれとこれる距離じゃない。ず〜っと見ておられたいだろうが 次にも凄い場所があるのでここはそこそこ気のすむまで見ていただくということで 妥協していただいた。

 今回私は比較的「お行儀のよい」ということをテーマにサラセニアを選んだ。 一鉢にお行儀よく2鉢並んだレウコとミノールとフラバを選んだ。フラバは グリーンの物と筋の入ったものである。実はこれを選ぶ前にフラバを選んで稲穂 さんに見ていただいたら、「私はスロートにためらい傷のあるようなのはどうも」 このためらい傷という表現にみな大爆笑!流石に面白い表現をする稲穂さんだ。 さて、JCPS主宰、田辺さんの今回のテーマは「純白!」との事で、確かに 白いレウコが中心に選ばれていた。  そういえば、レウコフィラをドラモンディーと呼んだり、アラタをスレッジー と呼ぶのはかなり古い世代である。丁度小学生の頃に興味を持ち、近藤先生の本を 読み漁り夢中になり、社会に出るとともに食虫への想いを封印し、家庭を持つと 昔の想いが甦って再会した世代である。かく言う私もそうなのである。  

7.5 伊勢で燃え尽きるか?!

 伊勢花しょうぶ園は周りを田んぼとしょうぶ畑に囲まれており、すぐ横に川が 流れていて日当たりは良好!湿度も充分にあり心地よい風も吹く。まさにサラ セニアが大好きな環境といえるのではないだろうか?肝心のサラセニア畑は園の 中央にあります。しょうぶ園なのだから本来サラセニアは隅の方で細々と栽培されて いてもおかしくないのだがサラセニアを始め、各種食虫は中央の一等地に陣取って 居るわけだから社長の食虫に対する心意気を充分に感じとることが出来る。

 ここには8種の内6種とその交配系を見ることが出来る。フラバ・レウコフィラ ルブラ・ミノール・プシタシナ・プルプレアである。園の大半を占めるのは圧倒的に レウコ系とフラバである。いずれも地面に置かれた大きなトレイ(約1bX10b)に 浅い腰水にして置かれ、定期的に散水装置で散水しているようである。その大きな トレイが中央の通路の左右にいくつも置かれ、大体品種ごとに区別されて鉢が綺麗に 並べられている。鉢内を見ると2株入っていたり、他の品種が雑草化している。

ドロセラインターメディア-ジャイアント・Uスブラタやディオネアである。中には インターメディアだらけで肝心のサラセニアが恥ずかしそうに間借りしているような 鉢も見受けられる。用土はピート+川砂が主体であるが恐らくはここの環境には一番 これが適して居るようで、社長曰く「うちは放任栽培なのでね。」これだけ多くの 鉢があるので植え替えなどは気軽には出来ないのであろう。従って、一概にここの 真似をしても見事な生育をするとは限らないと思う。充分な日光と湿度や風。そして 社長の心意気があって、ここのサラセニアは見事に生育するのであろう。

 さて、サラセニア畑の北側には5棟の大きな温室がある。ここにはサラセニアの 実生があるがその数は半端ではない。1000や2000では利かないであろう。 同じようにディオネアやD.capensisやピンギが所狭しと並べられているのである。 ディオネアではほんのりピンクに色づいたものやシャークティースのようなものや カップと呼ばれる充分に葉が開ききらずスプーンのようになった形のタイプも 見られる。他には大型のアオイトバや一鉢だけドロソフィルムがあった。なんでも 知り合いから頂いたそうで伊勢花しょうぶ園の新商品になるのかな?とも考えるが なかなか輸送や初期の頃の管理が大変なので恐らくはここ園内で楽しむだけになるの では?とも考えられるが、こうしてここで新しい食虫を見つけるとワクワクするのは 私だけではないであろう。

   時間は12時半を回り、伊藤さんは所用があるのでここで帰られるとのこと。 持参したネペンを即売する。居酒屋の前で屋台で焼き鳥を売るようなものである。 尤も昨年も同じ事をしているが、我等は迷惑な客なのかもしれない。即売といえば ネペンなので畑の中ほどにおられる浜松の庄田さんに声をかけたら本当に嬉しそうに 駆けていらっしゃいました。即売とかこういった事には皆本当に嬉しそうで、子供に 帰ったようである。会計を済ませ、次の伊勢に向かって出発!おっと、その前に 記念に集合写真を撮ることになった。社長にも入っていただき、ハイ、ポーズ。  社長さんに御礼とお別れをいい、いざ!上野に出発だ!

トップ栽培場JCPS案内浜田山集会分譲画像文献自生地南総リンク inserted by FC2 system