根尾のムシトリスミレ自生地探検

高井邸ですっかりのんびりしてしまったが、早く行かないとムシトリスミレの自生地にいけなくなってしまう。車を停めた場所の休耕田の中にはなにやら珍しいエビが居るそうで、狂さんが必死になってすくっていた。晩のビールのつまみにデモするつもりか?
さあ、車4台でいよいよ自生地へ向かって出発だ! どうもこの自生地という響きが最高に耳に心地よく、たとえ栽培品レベルでダモノ扱いされている品種であっても、自生している姿というのはまた格別の味わいがあるものである。また、栽培では意外と難しいモウセンゴケ(D.rotundifolia)は自生地で生き生きしている姿は、なんともいえないものがあるのである。
栽培品では特によく出来たものや珍しいものに視線が集中するが、自生地では、どんな種類であっても自然の中で生き抜く姿にみなシャッターを切るのである。不思議なものである。
さて、車は高井邸を出発。野を越え山を越え、渓流沿いをどんどん上っていく。約40分ほどで、その渓流がダム湖になっており、その一番奥の道の終点まで行くことになる。我々を出迎えるかのように、丁度車4台分の駐車場があり、ここで山登りの身支度である。とはいっても、歩いて10分ほどで、沢を少し上るだけである。私は虫除けスプレーとビデオカメラだけという身軽さでいざ出発。
大雨で心配されていた渓流の増水の心配もなく、ちょろちょろ流れる渓流沿いを歩いていく。天気もよく、ロケーションも最高。今度はここでBBQでもやりたいね!と言わせてしまうほどいい環境である。両側は切り立った崖になっており、見上げるといくつも清水が湧いている。よく見ればムシトリスミレがへばりついているかもしれないが、望遠レンズや望遠鏡で差がなさいと難しい。
しばらく歩くと、木道の階段になっており、それを登るとムシトリスミレが自生しているという説明の看板が目に入った。意外と有名な場所らしい。
目の前には高さ30mほどの滝である。その滝の脇の湿った岩肌にムシトリスミレがへばりついている。数こそ少ないが、数株開花している。かなり高いところに自生しており、ビデオカメラの望遠も届かない。メンバー数名が影によじ登る。みんなスパイダーマンのように、起用に上っていく。私もカメラを首から下げて両手で登る。と、その右手の先にはなんと、いらっしゃい!と言わんばかりのD.rotundifoliaが岩にへばりついて自生していたのである。何かとってもうれしくなった瞬間であった。
橋本氏や内沢氏などはかなり高いところまでよじ登っている。いったいどうやって降りるのであろう? 
持参したペットボトルの水を滝壷に沈めて冷やすことにする。ビールを持ってくればよかったなどとすこし後悔した。
1時間ほど滞在したであろうか? 崖よじ登り組も無事下山。やや冷えたペットボトルの水を飲み干し、帰途につく。歩いて10分程度の行程は最高である。新潟の早出峡は険しい山道を1時間も歩かなければならない。まあ、それも楽しみのひとつではあるが、車から歩いて10分!うーん最高である。
時間は丁度5時。今夜は宴会である。我々関東軍と橋本氏、そして関西から参加の内藤氏と南氏は各務原市内のビジネスホテルに宿泊。金の無い学生3名は当初野宿の予定であったが、狂さんの車の中で一泊することとなる。
車は渋滞も無く、無事に高井邸まで戻った。再びカブトエビの採集に夢中になる狂さん。みんながエビだ何だと盛り上がっていると、誰かが「即売やら無いの?」というお言葉。明日やろうと思っていたが、いいや!やっちゃえ!と私が持参した20鉢の即売品をサミット特別価格で売りさばく。ジャンケンあり、値切りありのいつもの浜田山がそっくりそのまま岐阜県まで移動してきたみたいだ。 私の持参品は、D.regia D.slackii S.purpurea heterophylla S.catesbaei S,formosa Doionaea royak red P.grandiflora N.bicalcarata N.ampullariaなど、面倒くさいの で500円と1000円で分譲。大赤字サミット特別分譲である。若林氏もムシトリス ミレを数株持参、鵜原氏はムジナモを持参。2芽で200円とこれまた破格。 見かねた高井氏も自宅から即売品を提供。こぼれ種で雑草化したドロソフィルムの大株 がネペンテスの挿し木苗等が破格で売りさばかれていく。このような光景は第1回サミ ットではなかったものだ。
即売も終わり、そろそろ移動だ!30分ほどでビジネスホテルに到着。時間は7時ちょっとまえ。居酒屋の予約は7時だそうで、我々宿泊組は先にホテルにチェックイン。鵜原氏は近くに親戚が居るので、そこで一泊。その他のメンバーは居酒屋へ移動。 我々の泊まるビジネスホテルはルートイン各務原。なんと24時間入浴可能の温泉の大 浴場があるのである。2年前に訪れたときにもここに泊まったが、そのとき以来のであ る。さて、荷物を整理して居酒屋へ。
ここでTCPSのメンバーである伊藤氏と合流。明日の伊勢と上野は参加できるそうで 、ネペンテスの即売も持参するそうである。また、学生3名の話を聞くと、是非うちに 泊まりに来なさいとのありがたいお言葉。学生3名が喜んだのは言うまでも無い。
会場はホテル近くの居酒屋で、総勢20名ほど、狭い席に詰め込んだが、きつそうだ。 土曜の夜なので、混んでおり、従業員のお姉ちゃん2名が忙しそうに駆けずり回ってい る。さあ、今宵は食虫談義に花を咲かせることになるであろう。店の中に威勢のいい乾 杯!の掛け声が響き渡った。

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