岐阜県根尾村

滝壷の崖にへばりつくムシトリスミレ


10mほどの滝

モウセンゴケ

ムシトリスミレ

滝壷でビールを冷やす

自生地での食事は最高!

4.根尾はまるで隠れ里

 高井邸から北へ向かえば根尾に着く。まずは高井邸から数分走った所に道の駅が ある。岐阜は鮎が美味しい。事前に稲穂さんが鮎が食べたいと言っていたので ここで鮎の甘露煮を買うことにした。鮎は解禁が6月なので今回は甘露煮で 我慢して頂くことに、丁度WC休憩にもなったようで、今度こそ根尾に向かって 一直線!山の間を縫うように流れる根尾川を上るように走る。そして4〜50分も 走ると更に山も深くなり、自生地の入り口に着く。車を停めると「クマに注意」やら 「この先事故が起こっても責任持ちません。」などの物騒なカンバンが目に付くが この先にムシトリスミレがあるのだからもう止まらない。虫除けスプレーを塗ったり カメラを準備して、さあ出発!(尚、自生地の様子は書きますが、詳しい場所を 確定するようなことは書けませんのでご容赦を....。)

 恐らくここは日本で一番楽に行ける自生地ではないだろうか?本当に10分も 歩けば自生地に着いてしまうのだ。山間ののどかな道を歩くのは我々だけ。空には トンビが滑るように飛び、山肌には清流が滴り落ちている。しばし世間の喧騒を忘れ てしまう。正に根尾はムシトリスミレがひっそり住んでいる隠れ里のようである。  程なく水が落ちる音がする。滝だ。その脇を細い階段があり、登りきると展望台に 到着するとそこからはムシトリスミレの自生地が一望出来るわけだ。獣道のような 階段や丸木橋を歩くと展望台に着くと眼前に10メートルの落差のある滝が飛び 込んでくる。
そして左手には切り立った崖がそびえている。かなり険しくて上のほうはオーバー ハングしている。そこにムシトリスミレが生えている筈だ。実はここは有名な所で 行きやすいこともあり、乱獲が激しく昔は眼の前で愛でることも出来たそうだが 昨年初めて来た時には崖の上の方にしかその姿を見ることが出来なかった。
 今年はどうだろうか?展望台から滝の近くに降りて行きその姿を確認しなきゃ! みんな転ばないように足場を確認しながら降りていく。私はやや遅れて行ったが もう皆喜んでいる。その顔を見ただけで結果は明白。安心して崖に目をやると 5メートルくらい上の所に数株。しかも、花が咲いている。昨年は花が見られ なかったが数週間の違いが嬉しい出会いを演出してくれた。花は薄紫で大きく 非常に存在感がある。写真などで見知った花なのだがやはりこの目で、しかも 野生の物には言い得ない迫力がある。目が慣れて来ると、あちこちで花が咲いて いるのが分かる。感無量....。正に高嶺の花で眼前で愛でることは出来ないが、 そんなことはどうでもよくなってしまっている。高いところでもいいのでず〜っと この先もここにこられればその姿が見られりゃいいな。そう思うのは私だけじゃ 無いと思う。
 ここは岩肌を水が滴るように落ちてきており殆どは岩である。土は殆ど無く 水に乗って流れてきた土が岩の窪みにたまって、そこにしがみつくようにムシトリ スミレやモウセンゴケが生えている。日光は殆ど当たらなく明るい日陰といった 所である。また滝のおかげで涼しい風が起こり、天然のミスト装置の様になっている。 標高500b程だがこの滝のお陰で恐らく、ムシトリスミレには絶好の環境に なっているのだろう。

 みな一通り、見終わった所で先ほど道の駅で買った鮎を取り出し、予め滝つぼに冷や しておいたビールを取り出して乾杯する。ま、先ほどの真摯な気持ちは置いといて やはりのびのびとした気分で飲むビールは最高である。稲穂さんは昼食で食べ切れ なかったから揚げか何かをむさぼり食べている。どうやら興奮しすぎてお腹がすいた らしい。いつまでもここに居たい気もするが時計を見ると16:00を回っている。そろ そろ下界に戻らないと、実はまだ高井邸の見学も半分半着だし、今日しかこられない メンバーもいるので即売もしないといけない。名残惜しいが駐車場へと歩き出した。 夕方だけどまだまだつづく食虫三昧!

5.岐阜の夜は更けていく...。
 根尾から再び高井邸に向かいます。行きと違い、帰りは下り坂が多くて心持ち 早く帰り着くことが出来ました。所で、昨年は高井邸の西にある田んぼにはおびた だしい数のカブトエビとホウネンエビが泳ぎまわり、食虫そっちのけで皆んな歓喜の 声を上げていたが、残念ながら今年はまだ田んぼに水が入っていなくて見ることが 出来なかったが恐らく数週間もすれば、水も入り、条件さえ合えば昨年のタマゴが 孵化してその珍奇な姿が見られることだろう。そう言えばナガバノイシモチソウの 種も10年近くは耐えて環境がよくなったら発芽するのでよく似てると思う。全く もって生命の不思議というか逞しさには驚いてしまう!

 車を停めると早速昼に見られなかった温室に向かう人やもう一度ゆっくり屋外の サラセニアなどを見る人などそれぞれ思い思いの場所で歓談を始めた。時間は5時半。 そろそろ晩の宴会の心配をしなきゃね。出席者を募ると岐阜在住組の方たちは残念 ながら参加出来ないとの事なので人数をまとめると今日泊まるホテルの近所にある 串焼き居酒屋にTELして場所を予約すると運良く空いている様でTELの向こうの 店員は歯切れの良い声で「お待ちしてます!」と答えてくれた。
 さてここで即売会の始まりである。田辺さんからはピンギの開花株や貴重な葉挿し 苗や実生から丹念に育てたサラセニアが、岐阜の加藤さんからは見事なカトプシス。 高井さんからは綺麗なドロソフィルムが分譲に出された。やっぱり一日の締めくくりは これが無いとどうもいけない。しばし頭を突き合わせ、皆欲しい物を手にした後で 名残は尽きないが高井邸と岐阜組とお別れである。

 高井邸から今日泊まる各務原(我が家の近所だが)は岐阜市内を流れる長良川の 堤防を通って行く。ここは鵜飼で有名な観光地である。そろそろ鵜飼シーズンなので 屋台舟や鵜飼舟が川端に停留していた。新潟の石高さんは鵜匠の方たちはオフシーズン の生活のことを心配されていらしたが、実は長良川の鵜匠さんたちは宮内庁の職員で あり、れっきとした国家公務員なのである。と、言うわけで国が生活を保障して くれるわけだ。そんな話しをしているうちに朝集まったホームセンターに着き、車を 乗り換えて一路ホテルへ...。ちょっとその前にトイレ休憩をすることになり その時に田辺さんから凄い話が!なんとサミットには仕事の都合でいけないよ〜。と おっしゃっておられた東海の若大将。橋本さんが「仕事が終わったから明日行くよ 〜。」と携帯に連絡が!「おお!これは凄いことになるぞ!」皆が色めきだってなん だか疲れが一度に吹き飛んだようだ!
 あれっ?こういう時に大騒ぎする稲穂さんがいない?!何処いったんだ?さて、覚えて おられるだろうか?このホームセンターで98円で食虫が売っていた話。「まさか あのD.aliciaeを買いに居たんじゃないだろうな〜。」「まさか!」程なく寒空に 暖かい甘酒を慈しむ様に両手で持つように一つの鉢を持つ彼が登場した。「いやぁ。 やっぱり可愛そうだったから買ってきた。」まさかと思ったがやはり彼はすごくピュア なのだ。皮肉ではなく枯れかけた食虫を救うってのはなかなか出来るもんじゃない。 暖かい気持ちになり車に乗り込みホテルに程なく到着。チェックインをして先ほど 予約した居酒屋に皆で向かう。皆それぞれ席に着き、早速ビールを頼んで乾杯! どうして皆で飲むビールはこんなに美味いのだろうか?注文は鵜原さんが機敏に段取り してくれ、次々に机の上狭しと並ぶ。稲穂さんは先週いった千葉の自生地の写真を見せ てくれるしネペンの話やドロセラ・ピンギの話がとめどなくあちこちで出てくる。きっ と周りから見ると何の話か全くわからん不思議な集団と思われているだろうな。  酒もいい加減に入りふと「田辺さん!明日早朝に各務原の自生地行く?」となにげ なく聞いてみた。実際の所、ホテルから10分で自生地に着くので不可能ではないの だが夜中からの運転で自生地めぐりと疲れているので大変なはずだし酒も入るし これは迂闊なことを言ってしまったなと後悔したが、返事は「行きましょう!」。 言ったこちらの目が点になった...。話はトントンと進み希望者だけが朝6時半から 自生地見学に行くこととなった。「いやあ、今日の4時半起きに比べりゃ遅いから 大丈夫ですよ!」と田辺さん。妙な理屈だが筋はとおってる?  明日も朝から食虫だ!飲んで食べて笑って突っ込んで。岐阜の夜は更けて いく...。

トップ栽培場JCPS案内浜田山集会分譲画像文献自生地南総リンク inserted by FC2 system