食虫植物の集いin浜田山

10月1日の浜田山の様子

多くの展示品が集まった

ご機嫌な岡さん(^o^)

ビカルカラタの牙の真似?

U.leptoprectraの開花

浜田山4周年記念集会 10・1

浜田山『食虫植物の集い』も早4年、年間10回前後の集会を開いている事になるので 年内には40回を数える。もうすっかり食虫植物のイベントとして定着した感のあるこの 集まりだが、今回は2ヵ月ぶりという事もあり、何時にない盛り上がりを見せる集会とな った。
何時ものように、田辺氏と伊勢丹で待ち合わせ。以前は、この時間に合わせて何人かの メンバーが伊勢丹の屋外園芸売場に集まり、プレ集会とばかりに売り物の物色がてら食虫 植物談義に耽っていたが、最近は殆ど田辺氏と私くらいしかいない。が、今回はSP,小林夫妻がセッコクを見がてら伊勢丹に立ち寄り、偶然出会った。
伊勢丹の売り場には、ピンギとネペンがぎっしり。ピンギはメキシカン中心で、開花し ているものはないが新谷氏の交配種を中心にかなりの数がある。結構出回つていない珍し いものがあり、つい手が出てしまいそうになる。ネペンの方もrafflesianaやviellardii,Chelsonii,Intermedia(在来のhookeriana)などが。荷物がなければ買ってしまいそうなものばかり。それに・・・・・なんと、恐ろしいことにbicalcarataが!しかも、小さい館玉くらいの袋にしっかリー人前の牙が着いている。最近、私は遂に自らに課した禁を破ってネペンに手を出してしまい、前回の板橋の即売会では売り手であるにもかかわらず節操なく買いまくってしまった「しかし、今日は浜田山もあるし、荷物が満載なので今回だけは涙を飲む。

田辺氏の車で、田辺氏の愛娘の華ちゃんと満載の食虫植物を乗せて、欲望渦巻く浜田山会館を目指す。 何時ものように、腹ごしらえをするためにコンビニで食料を調達。その前に少しばかりお金をおろしておこうと、コンビニの中のATMを利用したが、何改か機械のアナウンスの声が妙に早口なので、隣でコピーを取っていた田辺氏と爆笑してしまう。 代り映えもせず、会館のロビーでタコ焼きを食い、日の前で田辺氏はチューハイか何か をあおっている。暫くして内沢氏が現われ、その内中藤くんもやってきた。相変わらずで っかいネペンを携えている。「雄花しか咲かなくて・・・・・」と嘆いていた。実は彼は まだ高校生なのだが、かなリアクティプに活躍している。色々な品種の交配実験をしたり 肥料を使ってみたりしているそうだ。こんなことを言ったら彼に悪いが、ただの高校生に しておくのは勿体ない。早く家業の蘭屋さんを継いで、独立したら日本のエキゾチカプラ ンツやトリフィドバークを目指してほしいものだ。その位、彼のセンスは際立っている。 だが、「温室の中にヤロー(雄花のネペン)のにおいがたちこめて・・・・・」と、品の ない親父ギャグをカマす辺りは、すっかり浜田山の雰囲気に毒されて・・・・・もとい、 染まってしまっているようだ(大してかわらねえか?)。
「あ、祖先が来た!」お盆じゃあるまいし(笑)。MLではお馴染みのタンク氏こと、国松氏だ。今日はヒゲも妙にすっきりしている。でも、やっばり喋ると変なおっさんパワー全開だ。でも、その何とも言えない独特のノリが私も田辺氏も大好きなのだ。 しかし、浜田山最強の人といえば、狂さんをおいて誰がいるだろう。クチンのネペンテスパラダイスの旅を終え、板橋の熱帯環境植物園ではハイテンションで2日間も食虫植物を売りまくり、その恐るべきパワーはとどまることを知らない。板橋の即売会での凄まじい売品の数と展示(!)の量には、参加者全員が度胆を抜かれたが、今回もまた強烈なエネルギーを発散してくれそうだ。何しろ、今日は狂さんは主役なのである。
何時ものように1時くらいからばらばらと人が集まり始め、適当に置いた売り物や展示品を眺めている。そして、2時くらいにやっと開始となるのだ。本当は、売り物も会を重ねる毎に増えていく傾向にあるし、もっと早く始めた方がいいのだが、その辺はマイペース。いや、浜田山ベースというところだ。時間はたっぶりある。大した問題ではない。
今回は、新潟と青森からのゲストが来ていた。新潟勢はMLやJCPSの情報誌ではお馴染みの石高氏と、MLで同県人ということが判明したというBen高橋氏。青森勢は高地性ネペンテスに取り癒かれ、スマトラの奥地まで自生地探査に出ておられるという三尾夫妻。ダンディな旦那様と、ダヤンのシャツが可愛い美人の奥様である。そして、静岡勢として伊豆の浅賀氏と久々の'流暢'先生こと井上氏も、海産物のお土産持参で来訪。私も静岡勢の一人なのだが、田辺氏は「あなたはいいの」と、冷たい。まぁ、ほば毎回山奥から律儀に参加しているから、もう遠方もへったくれもない。
まずは恒例の展示品説明。トップバッターはいきなり狂さんである。大量のネペンを持ってこられた。革とはいえ予その量にみんな果気に取られている。だが、量だけで驚いてはいけない。N.alataやgracilisのバラエティとrafflesiana,そして捕虫葉の襟がリーフスパンだけではなく葉の方にまで一体化しているmirabilis,斑入りのmaxima X veitchiiなど、見ているだけでも飽きないものばかりだが、それを解説している狂さんも、血中ネベ ンテス濃度がレッドゾーンを突破し、解説もフルテンション。説明しながら「この袋かわ い〜い!」と声まで眺ね上がる。これぞ、狂さんの狂さんたる所以である。ある意味、誰 も狂さんを越える事は出来まい。
展示では、田辺氏の伊勢で買ったD.filiformisの凄まじい大株が目を引いた他、やっば リネぺンテスが多い。増殖が極めて難しいというmadagascariensls,bicalcarataとbicalX ampullariaや、ventricosaXampullariaなど、大作りの狂さんネペンとは対照的に、なかなか可愛いが堅実な作り方が窺える出来栄えのものが多い。その他、中藤くんのventricosa red X belliiとkampotianaという名前で手に入れたものが出され、thorelliiではないかと三尾氏や田辺氏が言っていた。狂さんは、下の方に着いている袋が可愛い〜、と相変わらず絶叫している。それと、珍しくウトリのleptoplectraの開花株が出ていた。ブーメラン型の空色の花はなかなかお日にかかれない。あと、斉藤氏は水冷鉢でダーリングトニアを栽培していたそうだが、やはりものに出来なかったようだ。佐藤(光)氏は、カトプシスの開花株を。「楽しいなぁ〜」と力なく笑っているのが笑いを誘った。
そして、ビデオ上映会前半戦。狂さん、若林氏、岡さん、そして本日は遅れて登場のテモさんの4人のクチン・リベンジツアーのスライド上映だ。といつても、スライドをデータ化し、なんとパソコンで出力するというハイテクを駆使した上映だ。システムオペレーターは田辺氏、解説は狂さんである。しかし、田辺氏が不意に電話で退出した時に、狂さんがパソコンをいじろうとして画面をクリアしてしまい、「使い慣れないもんは触るもんじゃないなあ〜」と例の調子。会場は大爆笑。だが、映像は驚憎の世界である。ampullaria,gracilisは当たり前のようにあるそうで、どんどん飛ばしてしまう。この程度で驚かれては困る、といわんばかりだ。そのampでも、そのままぱきっと取って茶わん蒸しがつくれそうな大きさだ。バラエテイももう考え得る限りのものがずらずらずら〜っと映し出される。私の前にたまたま座っていたamp大好き人間の坪井氏の背中から、オーラが発生していた。しかし、それすらもまだ前座だというからやはり自生地は凄い。tentaculata,hirsuta,巨大なrafflesiana,bicalcarata,reinwardtiana,veitchii,そしてnorthiana。まさにネベンテスの満漢全席だ。チェン・リー氏のグリーンハウスやティッシュカルチャー・ラボの映像も、高山性ネペンや難物のよく育った映像満載であつた。しかし、自生地のネペンは写真の映像からもその生命力を感じさせる。その凄さに、坪井氏ばかりでなくみんな酔いそうであったことだろう。 しかし、これで終わらないのがさすがに4周年記念集会(?)。
続いては三尾氏のスマトラの自生地ビデオ。高山性ネペンテスの自生地を旅して回つた、世界的にも貴重な映像だ。 carunculata robustaという、現在ではbongsoに統合されたネペンテス、ビーチ以上の幅広いスカーレットの襟は驚異的であった。栽培品は多分見る事も稀な品種だと思うが、その豪壮な作りの袋は忘れがたい印象を与える。もう、この辺りの品種になると、不勉強の稲穂には分からないものばかり。aristrochioides,edwardtiana,gymnamphora,rajah,1owiiといった、名前だけは聞いたことがあるネペンテスたちが、次々とスクリーンの中に飛び出す。aristroの自生地は、手酷い乱獲でもう数個体しか残つてないそうで、既にレッドデータブック記載以前の風前の灯であるそうだ。現在では組織培養の技術が発達し、信じられないような品種が手軽に買えてしまうが、自生地の絶対数はやはり減少の一途を辿っているようだ。スマトラの熱帯多雨林にひっそりと息づく、希有の至宝達がこの地上から姿を消してしまわぬよう、心から祈りたい。 rajah,lowiiといつた古くから日本にも紹介されている品種はネペンをやっていなくても結構みんな知っている。しかし、自生地は勿論本芸を表わした袋をきちんと見たことのある人は少ないに違いない。rajahは、まさに言葉通リネベンテスの王様にふさわしい。
兵庫で見た巨大なmerrilliianaと同じ、強烈な存在感。多分、こんなものを密林の奥で間近に見てしまったら、恐らく震えが止まらないだろう。もしかしたら、山ヒルだらけのその辺の地べたに平伏してしまうかもしれない。さしもの狂さんも、冒頭の方では奥様の映像が映るたびに何改か叫んでいたが、さすがに王様の前では黙ってしまっていた。

目舷くような時間があっという間に過ぎ、続いてはお待ちかねの即売だ。何時にもまして多い即売品の山だが、今回はさすがに参加者も多いので、何時の間にか狂さんのネペンは捌けてしまっていた。何時売っちゃったのよ?と板橋の時の逆襲を試みるが、「おっせ〜よ」と相手にして貰えなかった。相当人気だったらしい。まあ、その内また沢山殖やしてくれるだろう、と余り深く考えもせず、次の即売へ。服部氏のサラセニアとピンギは、ピンギの方は人気のあるheterophylla等はともかく、知られていない服部氏やスペシャリスト達の作出した交配種は殆ど私がせしめてしまったようだ。交配種の場合、たいていの方は「どんなんだろう?」と暫く首をかしげているところだが、そこはゴクドーモードにスイッチが入ってしまったもの勝ちである。しかし、flavaの良品が出た時に、先にスイッチが入っていたのは石高氏の方だった。後で聞いたら、「こいつを新潟に連れて帰らなきゃ、来た意味がないよ」と嬉しそうであった。

即売が一段落したところで、暫くお話をしていると、先ほど素晴らしいビデオを披露し てくださった三尾氏が、「いや―、稲穂さんのあの本(ピンギ本)見てたら、なんかピン ギにはまりそうですよ―」と仰っていた。そしたら、石高氏が「私も、稲穂さんのメール でなんだかまたネベンの方に再燃してしまって・・・・・」と苦笑い。かく言う私は、最 近ではネぺンかぶれしてしまい、「最近どうしちゃったの?また突然ネベンに狂っちゃっ て」と田辺氏に言われてしまう始末。メールという簡単に連絡出来る手段が出来て、いい 形でコミュニケート出来ているという結果だろう。単なる悪循環といってしまうと身も蓋 もないが、結構メーリングリストでメル友になり、改めて今日のこの場で親睦を深めたと いう方も少なくなかったようだ。展示や即売に関しても、色々な方が色々なものを出すよ うになり、自然とクオリティ・コントロールも出来て来ているようだし、いい形で集会そ のものが動いてきているのを感じられた。(By 稲穂)

展示品一覧

田辺直樹
N.albo-marginata 各タイプ N.madagascariensis N.sp cameron N.gracilis x ventricosa N.northiana x albo-marginata N.khasiana N.ampullaria x bicalcarata N.ventricosa x ampularia N.rafflesiana
D.filiformis D.farconeri D.dilatato-petiolaris
P.moctezumae x zecheri P.gigantea x cyclosecta P.gypsicola P.albida S.purpurea

Sethos稲穂
N.allardii N.gracilis x rafflesiana P.agnata x moctezumae

坂本匡一
N.alata各タイプ 交配種多数 Nrafflesiana特大標本

服部正人
S.flava P.filifolia P.moctezumae x cyclosecta P.laueana CP3 x moctezumae P.heterophylla

中藤
N.kanpotiana?

斎藤三津夫
D.arcturi(断熱鉢植) U.ウオーターローン ダーリングトニア水冷鉢植失敗品

佐藤光徳
カトプシス ベルトロニアナ(開花株) イビセラ果実、プロポスキデア果実 

中村英二
U.leptoprectra

岡本直明 セファロタス6月葉挿し苗 N.ventricosa x maxima

高橋勉
Dionaea cup

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