食虫植物の集いin浜田山

11月26日の浜田山の様子
参加者41名!

自生地探検家!(Yahooなお方)

N.bellii(森氏)

見事なセファロタス(森住氏)

特大のN.truncataの袋(中藤氏)

ムシトリスミレの見事な開花株(田辺氏)

TCPS赤塚氏参上!

晩秋、日一日毎に寒さも増してくる11月最終の日曜日、恒例の浜田山集会が行なわれた。とはいえ、午前10時の新宿上空は雲一つない晴天で、冬の装いでは汗ばむ程の陽気だった。そんな中、まるで北国からやってきたかのような出で立ちの一人の人物の姿が目に止まった。淡路花博・ジャパンフローラ2000での食虫植物サミット以来の宮本氏だ。彼はその後、メキンコと南米のベネスエラを食虫を求めて旅する過酪なロードに挑み、帰国したばかりだ。今回は、少し前の地元関西集会での報告に続いて、関東での報告会というわけである。熱狂的ともいえるピンギファンが多い関東では、彼の報告とその旅の成果を心待ちにしていたといってもいいだろう。
何時ものように田辺氏と合流し、浜田山を目指す。途中、なんと遠く東海から車で駆け付けたTCPSのメンバーとも合流。まだ少し早い浜田山会館の駐車場で、早速昼食がてら食虫談議に花が咲く。そうこうしてる内にも、次々と参加者が集まってくる。久しぶりの参加になる富田氏は、今回南アフリカのワイルドフラワーツアーに参加し、撮ってきた写真を手に宮本氏と品種の鑑定を始めていた。何時も何故か巨大な段ボールを手にやってくるのは、最年少ながらももはや主カメンバーになっている中藤君。今回は何時にもまして巨大なN.Oisoの鉢を持ってきた。実家が蘭屋さんなので、広々とした温室で彼が作るネぺンテスは、そんじょそこらの小さな温室で作ったのとは訳が違う出来栄えだ。ちょうどたまたま田辺氏と薬包紙の話をしていて、私が大量の薬包紙を渡したら、「種子の包装にアルバイトがいるなぁ」などと言っていたところにぴったり中藤君が来て、いいバイトがここにいるじゃない、とすかさず振ったら、「えっ?だったら、現物(ネぺンの)払いがいいなぁ」と。もう、すっかり浜田山カラーに染まりきっているあたりがなかなかお茶目だ。
そして、MLではお馴染みのタンク氏こと国松氏も、受け付けを始めた頃に現われた。一時体調を崩し、心配されていたが今日は問題なさそうだ。田辺氏から渡されたアレンの種子リストを真剣に眺めており、今度は私がそれを見せて貰いつつ、「発芽率が悪いからなぁ」などと独り言を言ってたのだろう。そしたら、国松氏がリストを指差しながら「ジベレリン掛けてみた?」などと唐突な事を言われたので、私は思わず、リストに?と、訳の分からないことを言ってしまった。国松氏は声も出せない程笑い転げていた。もう、既に大ボケモードだ。 その他にもN.小林氏や口無氏、そして遅れて登場になる狂さん、東海の面々とJCPS・MLオフの様相を呈してきた。お名前を存じあげない方の中にも、勿論参加者はいるだろう。
何時ものように沢山の展示品と、それ以上に沢山の分譲・交換品がテーブルを埋め尽くしていく。そして途中から参加してくる方もまた展示品や分譲品を沢山持ってこられる。その量は、回を増すごとに増えていくようにすら思える。森氏も、中藤君に劣らず毎回素晴らしい出来映えのネペンテスを持参される。蘭を専門にやっておられるということで、温室の事や水ゴケなどのコンポストの知識には造詣が深い。今回はN.belliiと素晴らしい出来のN.albo-marginataを持ってこられた。特にalboの出来は田辺氏をして「凄い!」と言わしめるだけのものがあり、albo大好きのN.小林氏は立派な袋の個体に言葉も出ないという雰囲気だった。田辺氏も、大きな袋の交配種をハンガーに吊るして展示している。しかし車の中では発酵した消化液のにおいが臭いと不評だった。
服部氏と久し振りの佐藤大作氏はサラセニアを沢山持ってきていたが、大作氏はリュックサックに新聞紙にくるんだサラセニアを詰めてきて、それを取り出すところをみていた私と田辺氏は、「田舎で泥ネギ売ってるおばちゃんじゃないんだから」としょうもないつっこみをいれてしまった。横で天丼を食べていた内沢氏がよく吹き出さなかったものだ。
今回は、宮本氏の本邦初のメキンカンピンギキュラの自生地ビデオに加えて、富田氏の南アフリカ旅行記のスライド上映会もある。前回はボルネオとスマトラのネペンテスの自生地ビデオ。何だか、毎回もの凄く賛沢なプログラムである。毎回こんなんでいいんだろうか?と、ちらりと脇を見ると、狂さんと主催者が既に居酒屋状態になっていて、訳のわからないことを言っている。私と田辺氏はそこら辺にあるものを食い散らかし、がぶ飲みしつつ、南アフリカの町並みを見ては「なんか熱海みたいだなぁ」と言ったり、ピンギの自生地の崖になっているところを見て、「茂原の裏山だろ、これ」と馬鹿な事を喋っていた。狂さんはその度に「うけけけけ」と笑って、食虫やら現地の女性が映ると遂には雄叫びを上げていた。しまいには、田辺さんの娘の華ちゃんが泣きだしてしまい、それを狂さんが宥めようとしているのだが、宥めているのかおもちゃにして遊んでいるのか、ますますわけがわからない状態だ。普通なら怒られそうだが、この緊張感のなさがまたよろしい。全員身を乗り出して食い入るように画面を見つめていたらかえって変だ。色々と事情があり、今回からは夕方までのイベントタイムには禁煙、という事になったが、禁煙とかなんとかまるで関係なく、この時間は思い思いに楽しんでいる様で、急な決定にもあまり動揺などはなかった。まったく、「大した問題じゃない」という言葉がこの会場内では満ち溢れている。
スライド上映はドロセラとウトリが少々。宮本氏が先駆者となって驚博の映像を既に公開しているので、度胆を抜かれるという感じはないが、それでもD.hilarisやD.cistifloraが立ち上がって群生する様は感動ものである。今は行けなくもない程度に安定しているので、第2のドロセラの最大の聖地としてオーストラリアに続いて訪れる人も多くなるのではなかろうか。田辺氏も、狂さんに「ねぇ、行こうよ」と盛んに誘っていた。
しかし、メキシコの方はそうもいくまい。食虫界随―のプラントハンターにして冒険家の宮本氏が、最初のピンギをみつけるまでに死ぬ思いをしたというのだから、如何に困難な旅だったかは想像に難くない。しかし、本邦初の自生地の映像はまさに驚異で、ランナーを出して殖えるP.stoloniferaや、真っ赤で立ち上がるD.graminifoliaのようなP.elongataなどの貴重な生の姿が映し出されていた。
交換会にそのまま突入したが、今回は余りにも多過ぎて一つ一つ見ていられないくらいだ。出物が多いだけでなくクオリティも良く珍品も多かったので、殆どの参加者がこのバトルに参戦していた。私は途中で席を立ったが、まだその頃には終わらない程だ。もう、年の瀬まであと―ヵ月だというのに、奇妙に暖かい日曜日、浜田山は、まさに熱い一日だった。(By Sethos稲穗)

展示品一覧

田辺直樹
D.rosulata N.ventricosa x petiolata N.truncata x ventricosa Dionaea green Dionaea Royal red
P.moctezumae P.zecheri P.laueana CP3 P.agnata x rosei P.agnata x gypsicola P.agnata x pico de orizaba
P.moctezumae x zecheri P.agnata x rotundiflora

坂本匡一
Nepentehs 実生苗
服部正人
Sarracenia 多数

中藤
N.truncata (袋の標本) N.centricosa (袋の標本)Ibicella N.oiso

内澤 真
D.bulbosa D.whittakeri D.erythrorhiza ssp squamosa D.lowrie P.福娘

佐藤大作
Sarracenia多数

遠藤
P.weser

森住
Darlingtonia Cephalotus

森 馨
N.bellii N.albo-marginata

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