三重県上野市

ドブの側溝にへばりつくモウセンゴケ


U字溝にへばりつくモウセンゴケ

モウセンゴケの群生

ドブが似合う稲穂氏

場所は普通の田んぼのそば

10株以上が束になっているモウセンゴケ

どこでも明るいおじさん

9.まだまだ上野は暑いぜ!

 最後に向かう自生地は上野ICからひとつ東に戻った友生ICから数分の所である。 上野ICから全車連れ立って、はぐれないようにゆっくり走っていった。ここを訪れる のは2年振りである。結構分かりにくいところなので(景色が同じような所なので) ゆっくり行列を作って走る。5分も走ったろうか?それらしい所を見つけたが回る タイミングを逃してしまって行き過ぎてしまった。早速Uターン。でも、7台から の車が回るのも容易じゃない。無事皆戻って、先ほどの道を回って細い農道を走って いく。自生地はこの先の山裾にある小高い崖になったような所にある。自生地の前まで 道は続いているので、(要は道端にある)自生地前に車を横付する。着くとみんな 早速飛びだした。無理もない。車の中からでも分かるほど大きなモウセンゴケの株が 沢山確認出来たからだ!

 ここは3メートルほどの土手で上から水が染み出てる所で、東向きの土手の下には大きめ の側溝が走っていて、土手の水や泥はその側溝の中に流れ込んでいる。道の反対には 田んぼが広がり、ここでも適度な湿度・心地よい風が吹き、適度な日照が得られるの である。ここではD.tokaiensis・D.rotundifolia・D.peltata(イシモチソウ)が見られ るが目立つのはやはりD.rotundifoliaである。その多くは土手の下の方に多く生え (やはり、水に浸るような所が好きらしい。)驚くのは、側溝に流れ込んでいる ブロックの継ぎ目の所に種が流れたのか、側溝にこぼれるように大きな株がいくつも 生えている。これには全員が驚いてしきりに観察している。その点、D.tokaiensisは お行儀が良いようで土手の中ほどから側溝際まで生えているが、D.rotundifoliaのよう に側溝まで生えていることはない。真紅に染まって本当に綺麗だ。サミットを締めくく るには最高の場所である。こんなことなら引きずってでも新潟チームも連れてくるん だったな..。

さて、イシモチソウも数株あったはずだと思い探すと...あった!土手の中腹に 陣取って30aはあろうか?白い花を咲かせている。不思議なもので、イシモチ ソウには「堂々と」といった形容詞は似合わない。恐らくその姿によるものだろうが どれほど大きな立派な株をみても私には涼しげに見えてしまうのである。

   話はD.rotundifoliaに戻るが、ここのD.rotundifoliaも真紅の固体が目立つ。 花茎も滞家しているものも見られ、ここではD.rotundifoliaが暴れているようである。 考えてみればD.tokaiensisがお行儀がよいのはその植物体の特徴にあるようだ。  D.rotundifoliaの根は植物体の大きさに似合わず短くて、申し訳程度に付いている ようなものである。転じて、D.tokaiensisは逆に小さなロゼットに似合わず、太くて 長い根を地中深く張るのである。そういう訳でD.rotundifoliaはこぼれるように なっても根が少ないので狭いところでも問題なく生えることが出来るのであろう。 8月にはここも植生がかわり、U.caerleaなどのミミカキグサが目立ってくるで あろう。

 周囲は明るいが時計を見るともう5時近い。流石にこれ以上関東の方たちを 引き止めるわけにもいかない。尾鷲からお子様連れでいらした平山さんもここから 尾鷲まで3時間近くかかる。名残は尽きないがサミットもこれでお開きにしなければ ならない。岐阜の各務原から始まり、岐阜・根尾・三重の伊勢・そして上野に至った 食虫の旅もこれで終わりだ。みなの顔には疲れは微塵も感じられず、充実した顔 ばかりである。「では、また!」再会を約束して順に方向転換をして友生ICに戻って いく。「さて、今度は何処に行こうかな。」そんな声にならないような声でつぶ やいたが、なんだか皆が同じようなことを思ったのだろうか?耳元で囁かれたような 気がして周りを見回してしまった。もちろん、誰もそんなことは言ってないのだけ どね...。
 「そこに食虫があれば、そこに行く!」さて、次は何処へ行こうかな。車の中 ではサラセニアが微笑んだかのように揺れていた....。

10.エピローグ
 「ん....。」またまた興奮して眠れなかったが、知らないうちに眠ってしまった 様だ。さてと今から会社だ。昨日は楽しかったな。何故か仕事に向かう足取りも 軽い。庭には昨日買ったサラセニアが見送ってくれる。そういや浜松の庄田さんから いっぱい浜納豆貰ったんだ。晩飯に熱いご飯にかけて食べるか!

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